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火災保険が10月に値上げ 更新前に確かめる5つのこと

火災保険料の改定が10月に予定されている。火災保険は2019年以降、短い間隔で引き上げが繰り返されてきた。更新の通知が届いてから慌てないために、いま確かめておきたい5つのこととは何か。

Gold beans.編集部2026/09/18

火災保険が10月に値上げ 更新前に確かめる5つのこと
  • 火災保険料は2019年以降くり返し引き上げられ、2023年6月の改定では参考純率が全国平均13.0%上がった
  • 水災の料率は市区町村ごとに1等地から5等地へ細分化され、自宅の等地は公式サイトで無料で調べられる
  • 参考純率は保険会社が使う「参考値」で、実際の保険料や改定の時期は保険会社ごとに異なる

この記事でわかること

保険料が上がり続ける3つの理由
「参考純率」は保険料そのものではない
水災の料率は市区町村ごとに5区分へ
更新前に確かめる5つのこと

保険料が上がり続けている理由

火災保険料の改定が、10月に予定されている。

火災保険の値上げは今回が初めてではなく、2019年以降、短い間隔で引き上げが繰り返されてきた。直近で内容がはっきりしているのは2023年6月の改定で、損害保険料率算出機構が住宅総合保険の参考純率を全国平均で13.0%引き上げると届け出ている。

上がり続ける理由は、機構の資料に3つ挙げられている。自然災害による保険金支払いの増加、住宅の老朽化、そして修理費の高騰だ。

理由中身
自然災害の増加一定規模の被害を及ぼす自然災害が毎年発生している状況
住宅の老朽化築年数の古い住宅の割合が増加し、損壊・火災・水濡れのリスクが高まる
修理費の高騰建設資材費や労務費の上昇(国土交通省 建設工事費デフレーター)

このうち見落とされやすいのは後ろの2つだろう。築年数の古い住宅の割合が増えれば、台風や大雪で壊れやすい家が相対的に増え、給排水設備が古くなれば水濡れの事故も起きやすくなる。さらに建設資材費や労務費が上がっているため、同じ事故でも修理に出ていくお金が以前より大きくなる。災害が増えたから、というだけの話ではない。

「参考純率」は保険料そのものではない

ここで一つ、押さえておきたいことがある。

報道で目にする改定率は、多くが「参考純率」の改定率だ。保険料率は事故のときに支払う保険金に充てられる純保険料率と、保険会社の事業経費に充てられる付加保険料率で構成されており、機構が算出しているのは前者だけになる。

しかも参考純率には使用義務がない。そのまま使うか、修正して使うか、独自に算出するかは保険会社ごとの判断で、販売時期も各社が決める。

つまり「全国平均で何%上がる」という数字を見ても、自分の保険料がその通りに上がるとは限らない。上がる幅も上がる時期も、契約している会社と条件によって変わる。ここを取り違えると、更新通知を見たときに話が食い違う。

水災の料率は市区町村ごとに分かれた

2023年の改定で大きかったのが、水災の料率の細分化だ。

それまで全国一律だった水災の料率が、建物のある市区町村ごとに、保険料の安い「1等地」から高い「5等地」までの5区分に分かれた。最も高い地域と最も低い地域の較差は約1.2倍になる。

同じ都道府県でも市区町村によって改定率は違う。機構が示した例では、東京都のM構造は水準改定のみなら+10.4%のところ、水災等地別に見ると+4.3%から+20.2%まで開きがあった。

建物構造都道府県水準の改定のみ水災等地別(1等地〜5等地)
M構造東京都+10.4%+4.3% 〜 +20.2%
M構造大阪府+16.9%+11.6% 〜 +25.9%
M構造愛知県+13.7%+7.6% 〜 +23.6%
T構造東京都+13.3%+5.2% 〜 +26.8%
T構造大阪府+21.5%+14.9% 〜 +32.6%
T構造愛知県+14.8%+7.2% 〜 +27.2%
H構造東京都+6.3%▲1.3% 〜 +19.0%
H構造大阪府+17.3%+11.4% 〜 +27.1%
H構造愛知県+8.9%+1.9% 〜 +20.6%

※保険金額は建物2000万円・家財1000万円、築10年以上の場合の例。
※M構造=耐火構造(鉄筋コンクリート造等)の共同住宅/T構造=M構造以外の耐火構造の建物、準耐火構造(鉄骨造等)の建物/H構造=M・T構造以外(木造等)の建物。
※同じ都道府県でも市区町村により等地が異なるため、改定率は変わる。

自宅がどの等地かは、機構のウェブサイトで無料で調べられる。「水災等地検索システム」で市区町村を入れるだけだ。更新の前に一度見ておくと、提示された保険料の理由が腑に落ちる。

更新前に確かめる5つのこと

確認すること見るところ
1 満期日保険証券。各社の適用開始日より前なら現行条件で更新できる
2 契約期間参考純率の適用は最長5年(かつては10年)。長期は先送りできるが見直しにくい
3 水災補償自宅の水災等地とハザードマップの両方。安易に外さない
4 建物の評価額いまの再建築費と合っているか。資材費高騰で不足しやすい
5 他社の見積もり同じ条件でも各社で提示額が違う

1つめは、満期日の確認だ。改定が反映されるのは各社の適用開始日以降の契約からで、それより前に更新すれば現行の条件が残る。通知を待たず、保険証券で満期日を見ておきたい。

2つめは、契約期間である。参考純率を適用できる期間は最長5年で、かつては10年だった。長期で契約すれば値上げの影響をその間は先送りできるが、途中で補償を見直しにくくなる。子どもの独立や住み替えの予定があるなら、長さだけで決めないほうがいい。

3つめは、水災補償の要否だ。ただ、保険料を節約したいからと安易に外すのは勧められない。また、機構の資料にも、リスクが低いと判断して水災補償を外す人が増えると残った契約の料率をさらに上げざるをえなくなる、という懸念が書かれている。
加えて、昨今の異常気象を考えるとハザードマップ上は浸水想定がなくても、都市部の内水氾濫や土砂災害は起こる。外すかどうかは等地とハザードマップの両方を見てからだ。

4つめは、建物の評価額である。何年も前の契約のままだと、いまの再建築費と合っていないことがある。低すぎれば事故のときに足りず、高すぎれば払いすぎになるが、建設資材費が上がっている局面では評価額が実態に届いていないほうが起こりやすい。

5つめは、他社との比較だ。参考純率の使い方も改定の時期も各社が判断するのだから、同じ建物・同じ補償でも提示額は変わる。代理店を通すか通信販売かでも違ってくる。

火災保険は、入ったきり中身を見ないまま更新を重ねやすい商品。値上げの通知は、契約を点検する機会でもある。 満期が近いなら、まず証券と等地の確認をしておきたい。

※火災保険参考純率の改定内容、改定の背景、水災料率の細分化、改定率の例は、損害保険料率算出機構「火災保険参考純率 改定のご案内」(2023年6月28日)による。水災等地検索システムは同機構ウェブサイト(https://www.giroj.or.jp/ratemaking/fire/touchi/)。

※本稿は情報提供を目的としたもので、特定の保険商品の加入や解約を推奨するものではありません。契約の判断は、保険証券と各社の約款をご確認のうえ、ご自身の責任において行うようお願いします。

この記事を書いた人

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