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アイルと萩原工業 77.1%と43.5%、見極めのポイントは進捗率|決算ウォッチ

4日の日経平均は806円46銭高の6万5020円94銭と5日ぶりに反発した。本日の決算発表は2社しかないが、どちらもプライムの主力決算になる。S級はアイル(3854)の7月期本決算で、3Q時点の営業利益は通期計画の77.1%まで来ている。要注意D級は萩原工業(7856)を挙げた。前期は3Q発表の1か月後に営業利益を40.8%下方修正している。

コマンドY2026/09/07

アイルと萩原工業 77.1%と43.5%、見極めのポイントは進捗率|決算ウォッチ
  • アイルは3Q時点で営業利益42億4092万円と通期計画55億円の77.1%。4Q単独は前期比7.0%減でも届く
  • 萩原工業の今期計画は営業利益21億円で前期比43.1%増。2Q時点の進捗は43.5%にとどまる
  • 要注意D級は萩原工業(7856)。前期は3Q発表の1か月後に営業利益を24億円から14億2000万円へ下方修正した

この記事でわかること
・本日の決算発表は2社──ただし2社ともプライムの主力決算
・☆S級 アイル(3854)──7月期本決算、3Qで77.1%まで来ている
・★要注意D級 萩原工業(7856)──前期は3Q発表の1か月後に40.8%下方修正
・今後の決算発表予定──11日に74社、メジャーSQと米CPIが重なる

本日の決算発表は2社──ただし2社ともプライムの主力決算

7日の決算発表は2社しかない。アイル(3854)と萩原工業(7856)で、どちらもプライム上場だ。 社数だけ見れば手薄な月曜だが、中身は薄くない。アイルは7月期の本決算で、通期の着地と来期計画が同時に出る。萩原工業は10月期の3Qで、通期計画の達成可否がほぼ見える四半期になる。

コード 社名 業種 決算期 種別 市場
3854 アイル 情報・通信業 7月期 本決算 プライム
7856 萩原工業 その他製品 10月期 3Q プライム

4日の日経平均は806円46銭高の6万5020円94銭と5日ぶりに反発したが、9月1日から4日の週で見れば1384円62銭安の2.1%安だった。本日はレイバーデーで米国市場が休場になる。 海外からの新しい材料が入らないぶん、個別の材料に値が動きやすい日になる。

そして両社とも、開示は引け後15時30分以降になる公算が大きい。本日の値動きは決算の中身を見ていない値段で、答えが出るのは明日8日だ。 ここを取り違えると、決算とは関係のない上下に決算の理由を付けてしまう。

☆S級 アイル(3854/情報・通信業)──7月期本決算、3Qで77.1%まで来ている

中小企業向けの基幹システム「アラジンオフィス」とEC・店舗の統合管理「CROSS MALL」を手がける。7月期の本決算で、通期の着地と来期計画が同時に出る。

中身:3Q累計は売上155億4300万円で前年同期比10.2%増、営業利益42億4092万円で22.4%増、純利益29億3100万円で24.4%増。売上より利益の伸びが大きく、増収増益の形は整っている。

サプライズ:通期計画は売上207億円で前期比7.3%増、営業利益55億円で14.1%増、純利益40億5000万円で16.1%増。3Q時点の営業利益の進捗は77.1%だ。 残る4Qで必要な営業利益は12億5907万円で、前期4Q単独の13億5430万円に対して7.0%減でも届く計算になる。

初動:4日終値は2441円で前日比0.21%高。20営業日で9.71%上げており、8月の安値2206円から戻したところにいる。20日平均の日中値幅は2.58%、売買代金は20日平均で2.71億円だ。

スイング目線:進捗が積み上がっている決算をまたぐのは、平時より分が悪い。上振れの余地が小さいぶん、来期計画のほうが株価を動かす。 時価総額611億円で売買代金は日々3億円に届かない。値が飛びやすい規模なので、またぐなら撤退ラインを先に決めておきたい。

Point:3Qで77.1%まで来ている決算は、数字そのものより「どこまで織り込まれたか」で動く。私なら通期の着地より来期計画の増益率を先に見る。『10万円を1年で100万円にする株式投資術』にも書いたように、株が動くのは good/bad そのものではなく市場が見ていた線との差だ。

本決算で見る数字

前期の営業利益は48億1884万円だった。今期計画の55億円は14.1%増になる。来期計画がこの14%という増益ペースを維持できるかどうかが、本決算の焦点になる。 3Qまでの利益の伸び22.4%に対し、通期計画の伸びは14.1%と抑えめだ。この差をどう説明するかも見どころになる。

★要注意D級 萩原工業(7856/その他製品)──前期は3Q発表の1か月後に40.8%下方修正

ブルーシートや土木用シートなど合成樹脂加工品と、その製造機械を手がける。10月期の3Qで、通期計画の達成可否がほぼ見える四半期になる。要注意と付けたのは値幅ではなく、前期にこの四半期で起きたことが理由だ。

中身:2Q累計は売上157億2100万円で前年同期比4.1%減、営業利益9億1400万円で1.7%増、純利益7億7600万円で35.9%減。減収で営業利益は横ばい、純利益は3割超の減益という組み合わせになる。

サプライズ:通期計画は売上350億円で前期比9.6%増、営業利益21億円で43.1%増、純利益15億円で16.4%減。2Q時点の営業利益の進捗は43.5%にとどまる。 43%増益の計画に対して、上期を終えて半分に届いていない。

初動:4日終値は1878円で前日比0.37%安。20営業日で2.74%高と動きは小さく、20日平均の日中値幅は1.65%、売買代金は20日平均で1.00億円だ。時価総額は280億円になる。

スイング目線:値幅は大きくないが、前期はこの3Qのあとに下方修正が出ている。 3Qの数字が計画線に乗っていなければ、四半期の開示そのものより後続の修正が意識される。またぐ場面ではない。

Point:要注意と付けているとおり、私はこの決算を「進捗の確認」として見る。43%増益の計画に対し3Qで何%まで来ているか、それだけを見れば足りる。

前期に何が起きたか

前期の萩原工業は、3Q発表の1か月後に業績予想を下方修正している。

修正前 修正後 修正率
売上高 340億円 311億円 ▲8.5%
営業利益 24億円 14億2000万円 ▲40.8%
経常利益 25億円 16億2000万円 ▲35.2%
純利益 22億3000万円 16億8000万円 ▲24.7%

時系列はこうなる。2025年9月8日に3Qを発表し、営業利益は13億3200万円で当時の通期計画24億円に対して55.5%だった。残る4Qで10億6800万円を稼ぐ必要があったが、実績は1億3500万円で着地している。 その差を埋められないと判断した会社は、10月6日に通期の営業利益を40.8%引き下げた。

3Qの進捗55.5%という数字は、4Qに前期の8倍近い利益を要求していた。 数字は開示された時点で読めていたことになる。

今期の3Qで見る数字

今期の通期計画は営業利益21億円で、2Q時点の累計は9億1400万円、進捗43.5%だ。前期の3Q単独は4億3300万円だった。今期の3Q単独が前期並みの4億3300万円なら、累計は13億4700万円で計画比64.1%になる。

残る4Qに必要な額は7億5300万円で、前期4Q単独の1億3500万円の5倍を超える。64%という進捗が出てきたら、前期と同じ構図が視野に入る。 逆に、前期3Q時点の55.5%を大きく上回る進捗が出れば、43%増益の計画に現実味が出てくる。

見るべき線は明快だ。3Q累計の営業利益が11億6500万円を超えているかどうか。 これが前期3Q時点の進捗55.5%と並ぶ水準になる。

今後の決算発表予定──11日に74社、メジャーSQと米CPIが重なる

今週の決算発表は後半に集中する。

日付 社数 主な銘柄
9月8日(火) 7社 アスカネット(2438)、セルソース(4880)
9月9日(水) 11社 三井ハイテック(6966)、ANYCOLOR(5032)、柿安本店(2294)
9月10日(木) 32社 積水ハウス(1928)、ビジョナル(4194)、鎌倉新書(6184)
9月11日(金) 74社 神戸物産(3038)、くら寿司(2695)、日本駐車場開発(2353)、エイチ・アイ・エス(9603)

11日は74社の決算発表とメジャーSQ算出日、米8月CPIの発表が同じ日に重なる。 決算の中身とは無関係な需給と、指数を動かす外部要因が同時に来る。持ち株の決算発表日がここに当たっているなら、決算の良し悪しだけでは値が説明できない日になると見ておきたい。

持ち株の決算発表日を確かめるのは、本日のうちでも遅くない。損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信(アイル:2026年7月期第3四半期決算短信、萩原工業:2026年10月期第2四半期決算短信、2025年10月期決算短信、2025年10月期第3四半期決算短信)および萩原工業「業績予想の修正に関するお知らせ」(2025年10月6日)にもとづく。株価・売買代金・日中値幅・時価総額はJPX公式のJ-Quants APIによる9月4日終値時点の値で、株式分割を調整済み。日経平均の終値・前日比は日経平均プロフィルの公開データによる。9月1日から4日の相場概況および今週の注目スケジュールはフィスコ「国内株式市場見通し」(2026年9月5日配信)による。決算発表予定は日本取引所グループ(JPX)の公表資料による。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

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記事を書いた人

コマンドY

スイングトレーダー。著書に『10万円を1年で100万円にする株式投資術』(2026年7月発行)。決算を「地雷を避ける」ための守りの道具として読み、上がり始めを出来高で確かめてから乗ることを基本にしている。

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この記事を書いた人

コマンドY

コマンドYスイングトレーダー

大学卒業後、メーカーを経て広告代理店にてPR・広報のコンサルとしてと企業支援に従事。ところが新型コロナと50歳の節目が重なり、「このまま真面目に働いていていいのか?」と自問自答。一念発起し脱サラして、FIREを目指してスイングトレーダーに転身。現実はまだ“たき火レベル”だが、日々発表される決算書とチャートの動向と格闘している。最近ではAIを駆使し、銘柄研究を行っている。

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