大学卒業後、メーカーを経て広告代理店にてPR・広報のコンサルとしてと企業支援に従事。ところが新型コロナと50歳の節目が重なり、「このまま真面目に働いていていいのか?」と自問自答。一念発起し脱サラして、FIREを目指してスイングトレーダーに転身。現実はまだ“たき火レベル”だが、日々発表される決算書とチャートの動向と格闘している。最近ではAIを駆使し、銘柄研究を行っている。
この記事でわかること
・今日16日の決算発表は1社 事業会社の決算はない
・今日の相場観 8円89銭安は、値がさ2銘柄の綱引きの結果だった
・15日の答え合わせ アスクルの1Qは、今日値段が付く
・またぎ注意
今日16日の決算発表は1社 事業会社の決算はない
霞ヶ関ホテルリート投資法人(401A)の2026年7月期、これだけだ。事業会社の決算発表はない。
REITは分配金と稼働率で見るもので、四半期の決算区分もない。決算の数字が市場の見ていた線と違ったから株価が動く、という当連載の切り口とは、そもそも性質が異なる。だから級は付けず、事実だけを置く。
【本日発表予定】霞ヶ関ホテルリート投資法人(401A/REIT)2026年7月期
| 項目 | 数字 |
| 第1期実績(2026年1月期) | 営業収益15億6100万円、営業利益11億1600万円、当期純利益6億7300万円 |
| 第1期の分配金 | 1口2336円+利益超過分配金352円 |
| 第2期予想(2026年7月期) | 営業収益15億6300万円(0.1%増)、営業利益10億4400万円(6.5%減)、経常利益7億7700万円(15.5%増)、当期純利益7億7700万円(15.5%増) |
| 第2期の予想分配金 | 1口2704円+利益超過分配金221円 |
| 15日終値 | 9万6300円(1.05%高)/出来高799口 |
霞ヶ関キャピタルをスポンサーとするホテル特化型のREITだ。第1期は新規物件の取得が2025年8月14日で、実質的な資産運用期間が短い変則決算だった。今日出るのは第2期にあたる。
上の表で目を引くのは、営業利益が6.5%減の計画なのに経常利益と当期純利益は15.5%増で置かれていることだ。営業段階より下で利益が増える形になっている。数字がこの並びになる理由は今日の開示で確かめるところで、着地は予想しない。
今日の相場観 8円89銭安は、値がさ2銘柄の綱引きの結果だった
| 指標 | 9月15日 | 前日比 |
| 日経平均 | 6万3484円10銭 | 8円89銭安(▲0.01%) |
| TOPIX | 4037.16 | 21.05pt安(▲0.52%) |
| プライム平均株価 | ― | +0.13%(中央値+0.07%) |
| 上げた銘柄/下げた銘柄 | 801/685 | 51.5%/44.1% |
15日の日経平均は8円89銭安で3日続落した。下げ幅としては無いに等しい。だが中身は静かではない。
アドバンテストが1銘柄で222円押し下げ、東京エレクトロンが28円、フジクラが18円と続く。売られたのは前日と同じAI・半導体だ。一方でソフトバンクグループが354円押し上げ、リクルートHDが36円、キオクシアHDが27円と続いた。押し下げ上位と押し上げ上位がほぼ同じ規模でぶつかり、差し引き8円89銭安に収まった。
TOPIXは21.05ポイント安で反落したが、プライム平均株価は0.13%高で、上げた銘柄は51.5%と半分を超えている。指数の小さな下げは、市場全体が静かだったという意味ではない。値がさ株が両側で大きく動いて相殺された結果だ。
材料は国内の長期金利で、15日は一時3.030%まで上昇した。株式の割高感を警戒する売りが出た。米アンソロピックのCEOがAI開発の減速を呼びかけたとの報道も、半導体売りに重なっている。
※「プライム平均株価」とは、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を、単純に平均した当サイトの独自指数(詳しくは記事末尾)。
今日16日はFOMCの2日目、明日17日から日銀の金融政策決定会合。 金利が動いた日の翌日に、金利を決める会合が控えている。
15日の答え合わせ アスクルの1Qは、今日値段が付く
| 銘柄 | 15日終値 | 前日比 | 3営業日 |
| アスクル(2678) | 1228円 | ▲0.08% | +0.16% |
| フロンティアインターナショナル(7050) | 1532円 | +6.24% | +13.15% |
| ベルグアース(1383) | 3005円 | 0.00% | +0.20% |
15日付けの記事で挙げた2社のうち、フロンティアは6.24%高で答えが出た。出来高は4万8400株で前日の2.7倍だ。14日引け後に出た1Qは売上74億1200万円で30.2%増、営業利益5億6200万円で134.4%増だった。前期並みのペースで走っていれば計画が保守的だったことになる、という見立てのほうを市場は取った形になる。通期計画は売上301億円の0.5%増で据え置かれたままで、1Qの売上はその24.6%にあたる。
ベルグアースは前日比変わらずの3005円、出来高1200株だった。3Q累計は営業利益3916万円で、前年同期の営業損失2億2000万円から黒字に浮いている。15日付けの記事では3Q累計の営業損失が1億円を切っていれば通期の黒字計画は射程に入るという線を置いたが、損失どころか黒字で超えてきた。それでも株価が動かないのは、出来高1200株という商いの薄さがそのまま出ている。
そして15日引け後、アスクル(2678)が2027年5月期の1Qを開示した。 今日16日に値段が付くのはこちらだ。
| 項目 | 数字 |
| 今1Q(2026年5月21日~8月20日) | 売上1123億4500万円(8.2%減)、営業損失4億1800万円、経常損失4億5200万円、純損失5億800万円 |
| 前年同期 | 売上1223億2400万円、営業利益10億5300万円、経常利益9億3800万円、純利益3億4400万円 |
| 通期計画(修正なし) | 売上4900億円(22.4%増)、営業利益70億円、経常利益63億円、純利益40億円 |
| 1Qの売上進捗 | 22.9% |
| eコマース事業 | 売上1107億円(7.9%減)、営業損失3億9300万円(前年同期は営業利益10億6400万円) |
| 15日終値 | 1228円(▲0.08%)/出来高67万1700株 |
事務用品通販の最大手だ。2025年10月にランサムウェア攻撃を受けてシステムが止まり、前期2026年5月期は営業損失174億4500万円に沈んだ。今期はそこからの回復年度にあたる。
中身を分けて見ると、ASKUL事業が12.2%減、LOHACO事業が12.3%減で、どちらも1割以上落ちている。会社は理由として、攻撃からの売上回復が途上であることに加えて、前年同期の猛暑の反動で飲料や熱中症対策商品が伸びなかったこと、前期に備蓄米の販売があったことの反動を挙げている。一方でグループ会社は14.6%伸びた。営業損失の側は、売上総利益率が23.3%と前年から1.5ポイント下がったことが効いている。売上を戻すための価格施策の影響だ。
Point:私が見るのは、この1Qを会社が「計画通り」と書いていることだ。eコマース事業の売上は期初計画通りで、通期の売上4900億円・営業益70億円も修正していない。1Qの売上進捗22.9%は、4等分した25%をやや下回る程度にとどまる。つまり赤字であること自体は織り込み済みで、回復は下期に置かれている。
拙著『10万円を1年で100万円にする株式投資術』にも書いたが、株が動くのは good か bad かではなく市場が見ていた線との差だ。1Qの赤字が線の内側なら株価は動かず、外側なら動く。15日の終値1228円は決算を見ていない値段で、答えが出るのは今日の寄り付きからになる。出来高67万株の銘柄なので、線の外側だったときの振れは小さくない。
またぎ注意
決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。
今週の発表は今日が1社、明日17日が数社で、事業会社の決算はすでにほぼ終わっている。またぐか降りるかで悩む場面は、今週はもう少ない。そのぶん、すでに出た数字に市場がどう値段を付けるかを見るほうに時間を使える週だ。
損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。
「プライム平均株価」について
東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を単純に平均した、当サイトの独自指標だ。時価総額でも株価水準でも重みをつけず、1銘柄を1票として数える。日経平均は株価平均型なので値がさ株の動きが大きく出て、TOPIXは時価総額加重なので大型株の影響が強い。計算には分割調整後の株価を使い、前営業日と当日の双方に終値がある銘柄だけを対象にする。9月15日の対象は1554銘柄だった。
これは日経平均やTOPIXより優れた指標という意味ではない。売買代金の大きい値がさ株の動きは、それ自体が相場の重要な情報だ。当社が独自に計算した指標であり、取引所等が公表する指数ではない。
※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信(アスクル:2027年5月期第1四半期決算短信、フロンティアインターナショナル:2027年4月期第1四半期決算短信、ベルグアース:2026年10月期第3四半期決算短信、霞ヶ関ホテルリート投資法人:2026年1月期中間決算短信)にもとづく。株価・出来高はJPX公式のJ-Quants APIによる9月15日終値時点の値で、株式分割を調整済み。プライム平均株価は東証プライム全銘柄の前日比騰落率を単純平均した独自指標で、時価総額や株価水準で重みをつけず1銘柄を1票として数える。当社が独自に計算した指標であり、取引所等が公表する指数ではない。日経平均の終値と前日比、銘柄別の寄与度は報道各社の配信記事による。TOPIXはJ-Quants APIによる。決算発表予定は日本取引所グループ(JPX)の公表資料による。
※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。






