大学卒業後、メーカーを経て広告代理店にてPR・広報のコンサルとしてと企業支援に従事。ところが新型コロナと50歳の節目が重なり、「このまま真面目に働いていていいのか?」と自問自答。一念発起し脱サラして、FIREを目指してスイングトレーダーに転身。現実はまだ“たき火レベル”だが、日々発表される決算書とチャートの動向と格闘している。最近ではAIを駆使し、銘柄研究を行っている。
この記事でわかること
・☆【注目度S級】神戸物産(3038)
・◎【注目度A級】くら寿司(2695)
・★【要注意D級】モルフォ(3653)
・○【値動き注意】
・【本日発表予定】
・今後の決算発表予定 またぎ注意
3社とも小幅高、ただし答えは本日出る──10日付けの記事で挙げた3社
10日付けの記事で、私は3社に見どころを書いた。株価はいずれも小幅に上げて終えているが、これは決算を見ていない値段だ。
| 銘柄 | 10日終値 | 前日比 | 売買代金 |
|---|---|---|---|
| 積水ハウス(1928) | 3372円 | +1.54% | 121.19億円 |
| ビジョナル(4194) | 8794円 | +1.68% | 23.50億円 |
| タイミー(215A) | 1559円 | +1.37% | 36.47億円 |
3社とも開示は引け後の見込みだった。上の株価はどれも発表前の値段で、数字を織り込んだ結果ではない。 答え合わせができるのは本日11日の値動きになる。
タイミーだけは売買代金が36億4700万円と、前日の18億4800万円から倍近くに膨らんでいる。決算発表を控えて商いが厚くなるのは、9日の三井ハイテックでも見た動きだ。 中身がどちらに出るかは別として、注目が集まっていること自体は数字に出ている。
9日発表の2社は、答えがはっきり出た
一方、9日に発表された2社は10日に評価が下された。
| 銘柄 | 10日終値 | 前日比 | 売買代金 | 20日平均比 |
|---|---|---|---|---|
| 三井ハイテック(6966) | 940円 | +4.56% | 193.17億円 | 12.29倍 |
| ANYCOLOR(5032) | 3240円 | +13.49% | 105.65億円 | 6.71倍 |
ANYCOLORの13.49%高が答えだった。 10日付けの記事で私は「減益の1Qと、発行済株式の4.67%にあたる自己株式取得が、同じ日に出た。市場がどちらを見るかで、株価の方向は変わる」と書いた。市場が選んだのは自己株式取得のほうだ。営業利益が8.8%減っていても、株数が減る話のほうが強かったことになる。
三井ハイテックは通期を2度目の上方修正で195億円に引き上げ、4.56%高。出来高は2039万9300株と前日の6.1倍に膨らんでいる。数字がよくても株価が下がることはあるが、この2社は素直に上げた。
10日の東京市場──寄りは374円安、引けは128円高
| 指標 | 9月10日 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均 | 6万5270円95銭 | +128円17銭(+0.20%) |
| TOPIX | 4054.58 | +7.94pt(+0.20%) |
| プライム平均株価 | ― | +0.07%(中央値▲0.03%) |
※「プライム平均株価」とは、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を、単純に平均した当サイトの独自指数(詳しくは記事末尾)。
10日の日経平均は3営業日ぶりに反発した。ただ寄り付きは374円25銭安の6万4768円53銭で、前場には6万4186円68銭まで売られている。 米国株の続落、対イラン紛争の激化による原油高、米長期金利の上昇とインフレ懸念の再燃が売り材料になった。
そこから切り返した。台湾積体電路製造(TSMC)の8月の月次売上高が好調だったことに加え、金利上昇を背景に銀行や証券へ買いが入って下値を支えている。売買代金は8兆3803億円だった。
値上がり寄与のトップはアドバンテストで、1銘柄で日経平均を約260円67銭押し上げた。2位のリクルートホールディングスと合わせて2銘柄で約315円分になる。指数の上げ幅128円より、この2社の寄与のほうが大きい。 値下がり寄与では東京エレクトロンが約89円50銭、フジクラが約57円12銭押し下げている。
プライム全銘柄では値上がり723銘柄に対し値下がりが784銘柄で、数のうえでは下げた銘柄のほうが多い。 プライム平均株価は+0.07%だが中央値は▲0.03%で、指数の反発ほど中身は強くない。 業種別では証券商品先物取引業・サービス業・銀行業が上昇し、非鉄金属・その他製品・建設業が下落した。
本日11日はメジャーSQの算出日で、米8月CPIの発表も重なる。 決算発表74社と外部要因が同じ日に並ぶ形になる。
☆【注目度S級】神戸物産(3038/卸売業)2026年10月期3Q
「業務スーパー」を展開する。フランチャイズ本部として全国1137店舗を持ち、世界から食材を直輸入して自社工場で加工する製販一体が特徴になる。本日11日に10月期の3Qを発表する。本日の発表74社のうち、売買代金84億8600万円は突出している。
中身:2Q累計は売上2861億7200万円で前年同期比5.1%増、営業利益210億3700万円で10.2%増、経常利益244億3600万円で16.8%増、中間純利益165億100万円で15.7%増。増収率5.1%に対して営業利益が10.2%増と、利益の伸びが売上の2倍になっている。
サプライズ:通期計画は売上5665億円で前期比2.7%増、営業利益430億円で7.8%増だが、経常利益は437億円で9.1%減、純利益は295億円で7.5%減の計画になっている。 営業利益は増益なのに経常から下は減益という、ねじれた形の計画だ。会社は2Q時点で計画を据え置いている。
初動:10日終値は3071円で前日比1.19%安。日経平均が0.20%高の日に逆行して下げている。売買代金は84.86億円で20日平均59.60億円の1.42倍。時価総額は6812億円になる。直近20営業日では9.9%高と、上げてきたところで決算を迎える。
スイング目線:2Q累計の営業利益210億3700万円は通期計画430億円の48.9%にあたる。1Q単独は109億4500万円だったが、2Q単独は100億9200万円で7.8%減速している。 開示は引け後の見込みで、本日の値動きは決算を見ていない値段になる。
Point:私が見るのは営業利益と経常利益の差だ。1Qは営業19.6%増に対して経常43.5%減、2Q累計は営業10.2%増に対して経常16.8%増と、四半期ごとに符号が入れ替わっている。この会社は輸入比率が高く、為替の予約や評価差が経常に出る。 営業利益だけを見て判断すると、着地の姿を読み違える。
3Qで見る数字
通期計画430億円の4分の3は322億5000万円になる。 2Q累計210億3700万円に対して、3Q単独で112億1300万円あれば届く計算だ。
前期の3Q単独は112億5300万円だった。つまり前年並みなら、ほぼちょうど75%に乗る。 実際に前年並みの112億5300万円を積めば累計322億9000万円で、進捗は75.1%になる。
もう一段上の線も置いておく。前期の3Q時点は、当時の通期計画377億円に対して80.5%まで来ていた。同じ進捗率なら今期の3Qは346億円になる。 322億円なら計画どおり、346億円なら前期並みの強さ、という2本の線で読める。
◎【注目度A級】くら寿司(2695/小売業)2026年10月期3Q
回転寿司チェーンを展開する。国内のほか米国84店舗、アジア62店舗を持ち、中間期末の店舗数は全て直営で699店舗になる。本日11日に10月期の3Qを発表する。
中身:2Q累計は売上1252億5300万円で前年同期比6.5%増、営業利益24億7600万円で14.7%減、経常利益29億1700万円で2.5%減、中間純利益18億3500万円で6.1%減。増収なのに営業利益は2桁減という形だ。 原材料価格と人件費の上昇が効いている。
サプライズ:通期計画は売上2570億円で前期比4.9%増、営業利益50億円で8.4%減、経常利益52億円で15.8%減、純利益30億円で16.8%減。売上は伸ばしながら、利益はすべて減益を見込む計画になっている。 会社は2Q時点で据え置いた。
初動:10日終値は1675円で前日比2.39%安。日経平均が0.20%高の日に、指数に逆行して下げている。 売買代金は8.97億円で20日平均7.10億円の1.26倍。時価総額は1331億円になる。
スイング目線:2Q累計の営業利益24億7600万円は通期計画50億円の49.5%で、進捗そのものは折り返しに乗っている。問題は前期の形だ。前期は3Q時点で営業利益51億8900万円と、通期着地54億6000万円の95.0%まで来ていた。 3Qまでで稼ぎ切り、4Qはほぼ横ばいという型になる。
Point:私が見るのは3Q単独が前年の22億8600万円にどれだけ迫るかだ。前期と同じ型なら3Q累計は47億6200万円で、通期計画50億円の95.2%に達する。逆にいえば、この会社の4Qは利益をあまり生まない。 3Qの数字がそのまま通期の姿を決めることになる。
3Qで見る数字
セグメントの内訳が読みどころになる。 2Q累計では日本が売上876億1100万円で経常利益32億1200万円、前年同期比7.8%減だった。一方で北米は売上235億9100万円で20.3%増ながら経常損失7億1500万円、アジアは売上142億3900万円で16.3%増、経常利益4億2100万円で97.5%増になる。
日本が減益を埋めているのがアジアで、北米はまだ赤字が続いている。 米国子会社の第2四半期の既存店売上は前年同期比108.6%と好調だったが、それでも経常段階では損失が残った。年間16店舗の出店を目指す投資段階にある。
3Qでは、北米の赤字が縮んだかどうかが数字に出る。ここが埋まれば通期計画の50億円には余裕が出るし、埋まらなければ3Q時点の進捗が高くても安心はできない。
★【要注意D級】モルフォ(3653/情報・通信業)2026年10月期3Q
画像処理とAIのソフトウェアを開発する。スマートフォン向けのライセンスと車載向けの受託開発が柱になる。本日11日に10月期の3Qを発表する。要注意と付けたのは、すでに通期計画を営業赤字へ下方修正しているうえに、直近の値動きが極端に荒いからだ。
S級・A級は誰もが見る。ここでは、その陰に隠れていて、しかも値が大きく動きやすい一社を挙げておく。注目度ではなく、値動きの荒さで見るべき銘柄という意味だ。
中身:2Q累計は売上11億5200万円で前年同期比24.8%減、営業損失5億3900万円、経常損失4億6400万円、中間純損失6億8100万円。前年同期の営業損失1億800万円から、赤字幅が4億3100万円ぶん広がった。 売上の内訳はロイヤリティ収入6億300万円で32.5%減、開発収入4億8500万円で20.3%減になる。
サプライズ:会社は6月12日に通期計画を下方修正している。 売上を35億円から30億円へ14.3%、営業利益を1億円の黒字から3億5000万円の損失へ、純利益を7000万円の黒字から5億2000万円の損失へ引き下げた。同時に構造改革費用1億4300万円と減損損失4000万円、合わせて1億8300万円を特別損失に計上している。
初動:10日終値は1490円で前日比7.43%高。売買代金は100億6900万円で20日平均24億7800万円の4.06倍に膨らんでいる。直近20営業日では118.2%高で、9月2日には1015円、4日には一時1615円まで買われた。日中の値幅は20日平均で10.64%と、本日の発表74社のなかで最大になる。
スイング目線:時価総額は約77億円で、10日の売買代金100億6900万円はそれを上回る。 1日の商いが会社の時価総額より大きい状態で、値が飛びやすい。値幅10.64%は上にも下にも同じだけ動くということだ。 決算をまたぐには、この値動きの荒さと業績の不透明さが二重に乗る。
Point:私が見るのは、下期に黒字が乗る前提が崩れていないかだ。 修正後の通期計画は、上期の営業損失5億3900万円に対して下期に1億8900万円の黒字を積んで、通年で3億5000万円の損失に収める形になっている。上期と下期で符号が逆転する計画だ。
3Qで見る数字
下期の黒字1億8900万円を3等分すると、3Q単独で6300万円になる。 ここに届いていれば計画線に乗っているという読みができる。
前期の3Q単独は営業利益1800万円、4Q単独は1億3500万円だった。前期も下期に利益が寄る形だったが、今期はその倍以上を下期で稼ぐ計画になる。 会社は「スマートグラスなど新しいデバイスへの受注」と「DX領域の営業成果」で回復基調にあると説明しているが、それが数字として出るのは3Qからだ。
売上では、下期に18億4800万円が必要になる。上期の11億5200万円に対して60.4%増だ。 ハードルは低くない。
値動きが大きい銘柄は、数字が出た瞬間に評価が変わる余地が残っている。 逆にいえば、その余地は下向きにも同じだけ開いている。
○【値動き注意】
上の3社のほかに、本日発表する銘柄のなかで値動きの大きいものを挙げておく。直近20営業日の日中値幅(高値と安値の差)が大きい順で、売買代金5億円以上のものだけを並べた。添えたのは、なぜ値が動きやすいかという事業の性格だけで、業績の評価はしていない。数字を読むのは上の3社と同じ手順が要るので、気になる銘柄があれば短信に当たってほしい。動くということは、上にも下にも同じだけ動く。持っている人は、その前提で決算発表日を確認しておきたい。
アストロスケールホールディングス(186A/サービス業) 4月期1Q 値幅5.75%
── 軌道上の衛星を点検・除去する宇宙事業。売買代金33億6900万円は本日の74社で2番目に大きい。
ノースサンド(446A/サービス業) 1月期2Q 値幅5.41%
── ITとビジネスのコンサルティング。昨年12月上場で、値動きの水準がまだ定まっていない。
HUMAN MADE(456A/小売業) 1月期2Q 値幅5.05%
── デザイナーのNIGO氏が手がけるアパレル。限定供給型で在庫を残さない売り方をとる。
Japan Eyewear Holdings(5889/小売業) 1月期2Q 値幅2.74%
── 福井・鯖江の高級眼鏡。売上の約9割が直営店で、10日の売買代金は20日平均の2.27倍に膨らんだ。
この4社に絞ったのは、売買代金5億円という線を守ったためだ。 本日の74社は中小型が中心で、値幅が大きくても1億円台の商いという銘柄が多い。板が薄いところで値幅だけを見ると、動きやすさと売買しにくさを取り違える。
【本日発表予定】
本日11日の決算発表は74社で、市場別ではプライム17社、スタンダード34社、グロース23社になる。決算種別は本決算24社、3Q22社、2Q20社、1Q8社と分かれる。
■10月期 3Q
エイチ・アイ・エス(9603/サービス業) ── 旅行大手。2Q累計は売上1931億3000万円、営業利益64億5000万円で、前年同期の67億2000万円からやや減った。10日終値1176円、前日比0.68%高。
正栄食品工業(8079/卸売業) ── ナッツ・ドライフルーツの輸入加工。
ジェイ・エス・ビー(3480/不動産業) ── 学生向けマンションの管理・仲介。
クミアイ化学工業(4996/化学) ── 農薬メーカー。
オハラ(5218)/ケア21(2373)/ソフトウェア・サービス(3733)/SCAT(3974)/CINC(4378)/BRANU(460A)/POPER(5134)/イトクロ(6049)/のむら産業(7131)/アシロ(7378)/ウイルコホールディングス(7831)/ミロク(7983)/トルク(8077)/ナレルグループ(9163)/ジャパンM&Aソリューション(9236)
■7月期 本決算
日本駐車場開発(2353/不動産業) ── 駐車場の運営とスキー場・テーマパーク。3Q累計は売上311億1000万円、営業利益70億2000万円で、前期通期の76億6000万円に迫っていた。10日終値261円、前日比2.25%安。
ファーマフーズ(2929/食料品) ── 卵由来の素材と通販。3Q累計は営業損失14億3000万円で、9日に業績予想の修正を開示している。
エターナルホスピタリティグループ(3193/小売業) ── 「鳥貴族」を運営する。2024年5月に鳥貴族ホールディングスから社名を変更した。
JMホールディングス(3539/小売業) ── 業務用スーパー「肉のハナマサ」。神戸物産と同じ日に、同じ業態が並ぶ。
大盛工業(1844)/カドス・コーポレーション(211A)/ランドネット(2991)/稲葉製作所(3421)/はてな(3930)/リンカーズ(5131)/日本スキー場開発(6040)/ウエスコホールディングス(6091)/ゼネラルパッカー(6267)/共栄セキュリティーサービス(7058)/さくらさくプラス(7097)/グローバルスタイル(7126)/アースインフィニティ(7692)/総合商研(7850)/メディア総研(9242)/シルバーライフ(9262)
■1月期 2Q
モロゾフ(2217/食料品) ── 洋菓子。
ネオジャパン(3921/情報・通信業) ── グループウェア「desknet’s」。
トーホー(8142/卸売業) ── 業務用食品卸。本日は神戸物産・JMホールディングスと合わせて、業務用食品が3社並ぶ。
丹青社(9743/サービス業) ── 商業施設や博物館の空間デザイン。
丸善CHIホールディングス(3159)/クロスプラス(3320)/丸千代山岡家(3399)/coly(4175)/ジャストプランニング(4287)/石井表記(6336)/OSGコーポレーション(6757)/トミタ電機(6898)/NATTY SWANKYホールディングス(7674)/光・彩(7878)/ナイガイ(8013)
■4月期 1Q
gumi(3903/情報・通信業) ── スマートフォンゲームとブロックチェーン投資。
アゼアス(3161)/トーエル(3361)/菊池製作所(3444)/日東製網(3524)/HEROZ(4382)/インスペック(6656)
売買代金が5億円を超えるのは、上で取り上げた7社にとどまる。 残りは1億円台以下が大半で、値が飛びやすい規模になる。板の薄さは先に確かめておきたい。
今後の決算発表予定 またぎ注意
決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。
| 日付 | 社数 | 主な銘柄 |
|---|---|---|
| 9月11日(金) | 74社 | 神戸物産(3038)、くら寿司(2695)、エイチ・アイ・エス(9603)、日本駐車場開発(2353)、モルフォ(3653) |
| 9月14日(月) | 69社 | 学情(2301)、アインホールディングス(9627)、ギフトホールディングス(9279)、TOKYO BASE(3415) |
| 9月15日(火) | 3社 | ― |
| 9月16日(水) | 1社 | ― |
| 9月17日(木) | 5社 | ― |
本日74社を通過すると、14日に69社が続き、15日から17日は9社にまで減る。 今週後半で山を越える形になる。持ち株の決算発表日がこの2日に当たっているなら、またぐかどうかを決められるのは本日と週明けの取引時間しかない。
本日はもう一つ変数が乗る。メジャーSQの算出日と米8月CPIの発表が、74社の決算発表と同じ日に重なる。 来週は15日からFOMC、17日から日銀の金融政策決定会合が控えており、CPIの数字はそこへの見方を左右する。
決算をまたぐと変数が2つになる、といつも書いているが、本日は3つだ。 決算の中身、SQに絡む需給、CPIを受けた金利と為替。どれか1つが読めても、残りは読めない。
10日のANYCOLORが13.49%高になったように、数字が出たあとの反応は、発表されるまで分からない。 減益の1Qでも、同時に出た自己株式取得のほうを市場が選べば株価は上がる。逆に予想を超えても売られることがある。9日のミライアルがそうだった。
拙著『10万円を1年で100万円にする株式投資術』にも書いたが、株が動くのは決算の良し悪しそのものではなく、市場が見ていた線との差だ。その差は、発表という事実が出てからでないと測れない。 発表直後に飛びつかず、反応を確かめてから動いても遅くない。損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。
「プライム平均株価」について
プライム平均株価は、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を単純に平均した、当サイトの独自指標だ。時価総額でも株価水準でも重みをつけず、1銘柄を1票として数える。9月10日の対象は1555銘柄だった。
日経平均は株価平均型なので、株価の高い値がさ株の動きが指数に強く出る。TOPIXは時価総額加重なので、大型株や金融・内需の動きが効く。これに対してプライム平均株価は全銘柄を等しく1票として扱うため、「数のうえで上げた銘柄が多かったのか」を見るのに向いている。
10日は日経平均+0.20%、TOPIX+0.20%に対して、プライム平均株価は+0.07%、中央値は▲0.03%だった。上げた銘柄は723で46.5%、下げた銘柄は784で50.4%になる。指数は反発したが、銘柄数で見れば下げたほうが多い日だった。 アドバンテスト1銘柄で約260円の押し上げがあったことを考えれば、上げの中身が偏っていたと読める。
ただし、これは日経平均より優れた指標という意味ではない。売買代金の大きい値がさ株の動きは、それ自体が相場の重要な情報だ。プライム平均株価は、値がさ株の影響を受けない見方をするとどう見えるか、という補助線として置いている。
なお株価は分割調整後の値を使い、前営業日と当日の双方に終値がある銘柄のみを対象にしている。この指標は当社が独自に計算したものであり、取引所等が公表する指数ではない。
※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信(神戸物産:2026年10月期第2四半期(中間期)決算短信、同第1四半期決算短信、2025年10月期決算短信、2025年10月期第3四半期決算短信、くら寿司:2026年10月期第2四半期(中間期)決算短信、2025年10月期決算短信、2025年10月期第3四半期決算短信、モルフォ:2026年10月期第2四半期(中間期)決算短信、2025年10月期決算短信)およびモルフォ「営業外収益(助成金収入)及び特別損失(構造改革費用、減損損失)の発生並びに通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」(2026年6月12日)にもとづく。株価・売買代金・日中値幅・時価総額はJPX公式のJ-Quants APIによる9月10日終値時点の値で、株式分割を調整済み。プライム平均株価は東証プライム全銘柄の前日比騰落率を単純平均した独自指標で、時価総額や株価水準で重みをつけず1銘柄を1票として数える。日経平均の終値と前日比は日経平均プロフィルの公開データ、TOPIXはJ-Quants APIによる。9月10日の市況と寄与度はフィスコの配信記事による。決算発表予定は日本取引所グループ(JPX)の公表資料による。
※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。






